接地工事は合格に絶対必要な項目。
その中でも、B種接地工事は少々異端(?)で、他の工事との出題傾向が違う。そして11年で 8回出題されているという、合格重要項目!
合格重要項目だが、出題問題はよく似ている。重要ポイントを早めにマスターし、一発合格を目指そう。
重要ポイントは、大きく分けて3つ。
- B種接地工事箇所は第4グループのみ
- 施工場所
- 抵抗値
この記事ではB種接地工事の施工場所について解説する。
接地抵抗についてはB種接地工事の接地抵抗で解説している。
B種接地工事の重要ポイント
B種接地工事箇所は第4グループのみ
まず、絶対に暗記すべき単線結線図+接地工事をみてもらおう。
これを見ると、B種接地工事は、一番下、第4グループの高圧→低圧の変圧器(トランス)部分にしかないことが分かるだろう。
ここ、最初に押さえておくポイント。
例題:h21年問34(複合問題)
⑤に示す低圧側の中性点または低圧側1端子に施す接地の記述について、不適切なものは。ただし、混触により低圧電路の対地電圧が 150[V] を超えた場合、1秒以内に高圧電路を遮断する装置があり、高圧側の電路の1線地絡電流は 5[A] とする。
<解答の選択肢>
- この接地は B種接地である
- この接地は高圧と低圧が混触した場合に低圧電路を保護するためのものである
- 低圧電路に漏電遮断器を設けた場合、接地抵抗値を 500[Ω] まで緩和できる
- この接地の接地抵抗値は、120[Ω] 以下に維持する必要がある
【出典:平成21年度第一種電気工事士筆記試験問34】
ここで注目してもらいたいのは選択肢1。問題中の⑤は、高圧→低圧へ変換する変圧器。ここに施す接地工事はB種接地工事。
施工場所
B種接地工事を施す場所は非常に限られていて、高圧電路と低圧電路をつなぐ変圧器の
- 低圧側(二次側)の中性点
- 中性点への施工困難なときは、300V以下の二次側1線
- 非接地のときは、混触防止板
中性点
施工場所は「変圧器の二次側中性点あるいは300V以下の二次側1線」と規定されている。
そして電工1筆記試験では、なぜか V-V結線で出題されることが多い。それがこちら(2019年問50)。
V-V結線図では、1φ3W 210-105V の中性点(中性線)が存在する。そこで接地線は中性点に接続する。
ちなみに、他の選択肢がこちら。
ハを除いた他の3つは、中性点があるにもかかわらず、電圧のかかる線に施工している。これは×。
中性点が難しいとき
中性点が難しい、もしくは無いとき。そんなときは、300V以下の二次側1線
このタイプの出題がH24年問21。
問題:B種接地工事を施す場所として誤っているものは
選択肢:
- 6.6[kV] / 210-105[V] 単相変圧器の低圧側の中性点端子
- 6.6[kV] / 210[V] 三相変圧器(二次側:三角結線、低圧電路非接地)の金属製の混触防止板
- 6.6[kV] / 210[V] 三相変圧器(二次側:三角結線)の低圧側の1端子
- 6.6[kV] / 420[V] 三相変圧器(二次側:星型結線)の低圧側の1端子
この問題、選択肢をよーく読んでいかないと引っかかる。
解き方は、
1.中性点があるか、ないかをまず判断
2.中性点がないなら、電圧を確認
中性点がある/ないを判断するのがやっかいかもしれないが、スター/デルタ結線を理解できていれば、対応できるはず。
非接地
非接地の場合、混触防止板に施工する。
このタイプの問題の例は、さっき紹介した問題(H24年問21)にあったのだが、
非接地と書いてあったら、最後の砦である混触防止版に。
学習の定着
まとめ
B種接地工事の重要ポイントの次の通り。
- B種接地工事箇所は第4グループのみ
- 施工場所
- 抵抗値
関連解説
・B種接地工事の接地抵抗
関連問題
・2019年問50(V結線とB種接地工事)
・H27年問35(B種の接地抵抗)
・H25年問32(B種の接地抵抗)
・H24年問21(B種の施工場所)
・H23年問20(B種の接地抵抗)
・h23年問48(V結線とB種接地工事)
・h21年問34(複合問題)