【1種解説】避雷器LAは配線図を覚えることが合格への重要ポイント

高圧受電設備

避雷器(Lightning Arresters; LA) は、過去10年間で6回出題されている重要問題。

重要だが1つのポイントを押さえれば、あとは類推と一般常識で解けるいただき問題

その1つのポイントとは

  1. 配線図(結線図)と図記号が書けること

この1つがマスターできれば、あとは一般常識を組み合わせることで問題を解いていける。

なおLAには、安全圏狙いの項目として”材料・材質”がある。これは、LAの安全圏狙いの記事で解説する。

避雷器LAの重要ポイント

名称

避雷器の英語名称は Lightning Arrester、略して LA

英略記と回路図記号

英略語と回路図記号は、それ単体で覚えるのではなく、単線結線図を手書き練習するときに、一緒に覚えること。

配線図(結線図)と図記号(必須)

高圧受電設備の単線結線図と、避雷器LAの電路は次の通り。

ここであなたに重要なことをお伝えしよう。

それは、過去12年間に出題された避雷器の問題6問のうち、この回路図が書けるだけで 3問解けるという事実。

回路図を書くだけで解ける問題
R2年問31(選択肢1&2)
H29年問45(結線図)
H27年問45(結線図)
H22年問45(結線図)

リンクをクリックしてみて、ほんとに解けるかあなたの目で確認してほしい。

開閉器は断路器DS

避雷器は雷によって高圧電路に発生した異常電圧(雷サージ)を大地に逃がすのが役割。

もし、その電路に遮断機CB、負荷開閉器LBS、高圧カットアウトPCや、限流ヒューズを設置して、雷サージが発生したときに自動で電路が切れたら、高圧電路はどうなる?避雷器がその役割を果たせないことは簡単に想像できるだろう。

だから、避雷器の電路を開閉するのは、自動では開くことがない断路器 DSの役目。

接地工事は A種

あなたの描いた単線結線図を見て欲しい。LAにはどの種類の接地工事が施されると描いたか?

そう、避雷器LAの接地は A種接地工事

どれくらいの電圧・電流になるか想像できない雷サージを大地に逃がすためには、接地線は最高能力を有する A種接地が最も適しているの容易に想像できるだろう。

接地線は特別太い
接地工事はA種接地だが、接地線の太さが避雷器だけは特別。やはり雷サージを確実に逃がすために太い。

ノーマルのA種接地工事では直径2.6mm以上、より線5.5mm2以上

これに対して、避雷器の接地線の太さは 14mm2以上と規定されている。

これは出題頻度が低く合格安全圏狙いの情報だが、ついでに押さえておこう。

繰り返し練習問題

避雷器LAの練習問題-結線図

外観

避雷器の外観はがいしを複数かぶせたような形(H30年問23 の問題文)。

役割・用途

避雷器というくらいだから、その役割は高圧電路を雷サージから保護すること。

繰り返し練習問題

避雷器LAの練習問題-外観と用途

追加情報:避雷器と避雷針は別物
これはほんとに追加情報。試験の合否には関係ないので、興味のある方だけ。

避雷針と避雷器は別物だということ、あなたは知っていた?

私、実は電工1試験を受験するまで区別できてなかった。たしかに違う字だけど…。

あなたもよくご存じのとおり、避雷針は雷が落ちやすいように高い場所い設置され、落ちてきた雷を捕まえて、大電流を地表に逃がす働き。(雷は、正確には地表側から空に登っていっているらしいのだが。)

一方、避雷器にはこの能力はなくて、電路に雷で誘発された異常電圧を逃がす。雷そのものを地表に逃がすほどの能力はない。

義務と設置場所

高圧架空線路から電気の供給を受ける受電電力が 500[kW]以上の需要設備には、その引込口に避雷器を施設することが義務づけられている。

試験では上記の文章がそのまんま出題されたことがある(H28年問21)。

また「500[kW]未満でも雷が多く発生する地区なので設置した」という文章も出題された(H26年問31)。

繰り返し練習問題

避雷器LAの練習問題-総合

まとめ

避雷器LAで必須の1つのポイントは

  1. 配線図(結線図)と図記号

配線図さえきちんと書けるようになれば、あとは類推と一般常識で解ける、サービス問題となる。

関連問題
R2年問31(LA 総合問題)
H30年問23(外観と役割)
H29年問45(結線図)
H28年問21(全般)
H27年問45(結線図)
H26年問31(全般)
H23年問23(外観と役割)
H22年問45(結線図)

その他の解説

高圧受電設備の解説一覧

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