計器用変圧器 VT も超重要機器。引掛け問題も含めると、11年間で 13回出題されている。D種接地工事も含めるとさらに出題数は多くなる。
合格には必須機器なので、確実にマスターを。
試験対策でマスター必須なのは、以下の4ポイント。
- 単線図/複線図
- 外観
- 用途、役割
- VT手前のPF役割
なお、D種接地工事もマスター必須項目なのだが、接地工事は単線図でまとめて体得するのが合格への近道なので、この記事では接地工事には深く触れない。
また、合格安全圏狙いのポイントは別記事で解説している。過去問60点を突破したら、安全圏を狙ってほしい。
計器用変圧器VTの重要ポイント
名称
計器用変圧器の英語名称は Voltage Transformer、略して VT。
英略記と回路図記号
英略語と回路図記号は、それ単体で覚えるのではなく、単線結線図を手書き練習するときに、一緒に覚えること。
単線図/複線図、台数、PF本数
VTは PAS内、VCT内部にも含まれるが、試験で出題されるのは、高圧受電設備単線図の上から3番目「電験取得者が点検」するグループ。この部分の単線図は以下の通り。
試験でセットで出題されるPF+VT部分の複線図は以下の通り。
図から分かるように、三相(R相、S相、T相)電路の電圧を計測するために、VT 2台を V-V結線して使用する。
そして、VT 一次側には PF(限流ヒューズ)を VT 1台につき 2本、計 4本接続する。
で、この VT 1台につき PF 2本を接続しやすいように、VT と PF は一体型、こんな感じで(H29年問22)。
練習問題
外観
外観は、複線図のところでも示したが、変圧器部分の上部に高圧限流ヒューズ PF が 2本付いている。
試験問題では VTの写真を載せて用途を答えるか、機器を選ばせるときの引掛けに使われる。
引掛けの例はこんな感じ。H28年問48 では、VCT(選択肢イ) を選ばせる選択肢に VT(選択肢ロ) が仕込んである。
練習問題
機能・役割
VTの機能は、名前の通り電圧変換。
高圧電路 6,600V を定格二次電圧 110V に降圧し、電圧計・電力計といった計測器に電圧(信号)を送ったり、保護継電器の動作電源として電力を供給する。
練習問題
VT手前のPFの役割
複線図や外観のところでお伝えしたが、VT の電源側には、十分な定格遮断電流をもつ限流ヒューズを取り付ける。
これは、高圧から VTを守るのではなく、VTのトラブル(特に短絡事故)が高圧電路に悪影響を及ぼさないようにするのが目的。
練習問題
D種接地工事
複線図に描かれているように、VT 二次側に D種接地工事を施すのは重要事項。
た、だ、し、接地工事は単線図で丸暗記して、各機器では覚えないことが、合格への秘訣(電験3種学習時の体験から)。
必ず単線図に接地工事を書き込んで記憶、理解すべし。
まとめ
計器用変圧器 VT も超重要機器。引掛け問題も含めると、12年間で 13回出題されている。D種接地工事も含めるとさらに出題数は多くなる。
マスター必須なのは、以下の4ポイント。
- 単線図/複線図
- 外観
- 用途、役割
- VT手前のPF役割
類似・関連問題
・H30年問32(VT定格負担)
・H30年問44(VTの台数)
・H29年問22(VTの外観と用途)
・H28年問23(直列リアクトルの機能; VTを引掛けに)
・H28年問48(VCTの外観; VTで引掛け)
・H27年問43(PFの役割)
・H26年問47(PFの本数)
・H25年問22(CTの用途; VTを引掛けに)
・H23年問42(VT定格電圧)
・H22年問22(VTの外観と用途)
・H22年問31(VT総合問題)
・H22年問44(PFの用途)
・H21年問48(PFの本数)